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岡村 信生; 米澤 重晃
JNC TN9400 2000-034, 48 Pages, 2000/03
現在、FBR(Fast Breeder Reacotr)の実用化を目指した研究開発が進められており、社会に受け入れられる核燃料サイクルを構築するために幅広い技術を対象に調査・研究が行われている。再処理に関しては、以前は使用済燃料からUとPuを効率よく取り出すことが課せられた唯一の課題であったが、現在、核燃料サイクルシステムを構築する上で再処理に求められる事項は多岐にわたり、それらの要求へ十分に答えていく必要に迫られている。再処理技術の幅広い検討の一環として、LWR(Light Water Reactor)とは異なりFBRでは低除染の燃料が許容されることから湿式再処理のみではなく乾式再処理の研究が始まり、溶融塩や液体金属を用いた電解・抽出、元素間の蒸気圧差を利用した揮発・凝縮等の様々な手法を組み合わせたプロセスが提案されている。乾式再処理は湿式再処理ほど実証プラントの経験が多くないため、工学規模のプラントを考える上ではプロセスフロー等に未だ多くの検討余地がある。そこで乾式再処理システムの設計を行う上で最も基本となる物質収支を解析・評価する時には、工程の追加等の変更に対して柔軟に対応する必要がある。本研究は、この要求を満たす乾式再処理の物質収支評価コードを開発することを目的としている。
山西 敏彦; 奥野 健二
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(4), p.375 - 383, 1997/04
被引用回数:5 パーセンタイル:42.9(Nuclear Science & Technology)フィードバック流れを持つ深冷蒸留塔の制御特性を、シミュレーションにより検討した。このフィードバック流れを持つ塔は、核融合炉において重要な役割をになっている。シミュレーションの結果により、塔の新しい制御システムを考案した。塔頂流量は、主フィード流の組成及び流量から、フィードフォワード制御によって決定される。フィードバック流れの流量及び塔内蒸気流量は、フィード流量に比例して調節される。塔内蒸気流量については、フィードバック制御ループにより更に調節される。提案したシステムは、フィード流の大きな組成変化、流量変化、塔の全理論段数の減少あるいは増加に対して、製品純度を制御することができる。制御システムは、各塔毎に、塔の運転条件、機能を考慮して設計されなければならない。本研究は、深冷蒸留塔の制御システムの基本的設計手順を示すものである。
木下 正弘
JAERI-M 82-214, 10 Pages, 1983/01
蒸留塔の充填部の内径が小さく、充填高さも比較的低く、それでいてコンデンサーの容積かかなり大きい場合には、塔の動特性解析において、コンデンサー内の蒸気ホールドアップが重要となり得る。このような問題は、実験室で基礎研究に用いる深冷蒸留塔でよく見受けられる。本報では、各段における蒸気ホールドアップを考慮した動特性解析のための基本式の導出が行われている。基本式及び解析手順は、蒸気ホールドアップを無視した場合に比べるとはるかに複雑である。修正オイラー法やルンゲ・クッタ・ギル法などの手法がどのようにして適用できるかが示されている。
吉田 浩; 藤根 幸雄; 斎藤 恵一朗; 大内 操; 成瀬 雄二
JAERI-M 8527, 49 Pages, 1979/11
本報告は、2分割型拡散筒から構成されたHertz型カスケードによるアルゴン同位体分離研究のうち、全還流条件における実験結果について述べたものである。本研究によりHertz型カスケードでは、カスケードの運転特性が安定しており操作が容易であることならびに2分割型拡散筒の分割比を増すほど段分離係数が向上することを実証した。2分割型拡散筒は、分離係数に影響を及ぼす諸因子のうちカットの効果を最大限に活用したものであり、カスケード所要段数を大巾に削減する上で極めて有用な分離器といえる。
成瀬 雄二; 吉田 浩; 藤根 幸雄; 松田 祐二; 清水 徳; 斎藤 恵一朗
JAERI-M 7275, 40 Pages, 1977/09
環境保全の観点から、再処理工場オフガス中のクリプトン分離-85の放出は、できるだけ少なく抑えることが望ましい。このために、液化蒸留法、溶媒吸収法、選択透過膜法など幾つかの方法が研究されている。多孔質隔膜法(ガス拡散法)により得られる分離係数は、一般に小さいが、無機多孔質隔膜の挿入された2分割型拡散筒の採用により、段分離係数をかなり改善することができた。カスケードの所要段数、濃度分布、隔膜面積、拡散筒寸法、圧縮機所要動力などについてクリプトン除去プラントの予備設計を行ったところ、カスケードの配置は非常にコンパクトにまとまり、操作も簡単であることが判明した。以上の研究により、多孔質隔膜法は、クリプトンの除去・回収法として、安全性および操作の容易さから可能性の高い技術の一つであることが明らかになった。
成瀬 雄二; 松田 祐二; 丸山 庸一郎; 苫米地 顕
JAERI-M 6501, 61 Pages, 1976/03
ウラン濃縮用ガス拡散プラントにおけるカスケードの所要段数は段分離係数によって決定される。段分離係数を向上させるためには、拡散筒を2つの室に分割することが考えられる。そこで、2分割型拡散筒により構成される2形式のカスケードについて静特性方程式を導出した。次いで分離作業量が5000ton-swu/yrおよび8750ton-swu/yrのプラントに適用し、これらのカスケードと通常のカスケードの静特性(所要段数、循環流量および所要動力)について比較・検討した。
成瀬 雄二; 松田 祐二; 丸山 庸一郎; 青地 哲男
JAERI-M 6455, 53 Pages, 1976/03
ガス拡散法によるウラン濃縮プラントでは、極めて高度の気密性が要求される。しかし、現実のカスケードでは、或る程度の漏洩を壁けることはできない。カスケードからプロセスガスが漏れ出すと製品量は低下する。即ち、所定の流量および濃度の製品を生産するためには、カスケード規模を漏れ出し量に応じて大きくしなければならない。本報では、各段から漏れ出しのある理想カスケードおよび準理想カスケードについて基礎方程式を誘導し、さらに、漏れ出し量、分離係数および製品濃度のカスケード静特性(所要段数、循環流量、廃棄材流量、原料流量)に及ぼす影響を検討した。
辻野 毅; 鴻坂 厚夫; 青地 哲男
JAERI-M 6284, 33 Pages, 1975/10
TBPによるPu精製工程を検討するため,TBP-HNO-Pu系の計算コード(REPROSY-P)を多段回分向流抽出の原理に基づいて作成した。このコードでは、定常あるいは非定常状態にある濃度分布および所要理論段数を与えられたフローシート条件から求めることができる。この報告では、使用したPuの分配データとその数式化、計算プログラムを含む計算コードの詳細をまとめたものである。
梅澤 弘一; 市川 進一; 夏目 晴夫
JAERI-M 5785, 11 Pages, 1974/07
濃塩酸を溶離剤とする陽イオン交換カラムクロマトグラフィにおける、ゲル型、ポーラス型各種樹脂の性能を比較検討した。ゲル型樹脂では、きわめて細かい粒度のものを用いないかぎり良い分離ができない。また、低架橋度の樹脂を用いると、分配係数、および分離係数はともに減少するが、同一サイズのカラムで得られる理論段数はむしろ増加する。ポーラス型樹脂を用いると、分配係数、ならびに分離係数は、同架橋度のゲル型樹脂による場合と変らないが、理論段数が約3倍に増し、かつテーリングが著しく減少した。ダイヤイオンCPK08、粒径35、4mm径20mm長のイオン交換カラムにより、11.7M塩酸溶液(市販特級試薬)を用いて、Am、Cm、YおよびEu-Ceを相互に良く分属することができた。